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2015 年度 実施状況報告書

癌性胸腹水癌細胞パルス樹状細胞ワクチンのがん幹細胞に対する治療効果増強の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461934
研究機関鳥取大学

研究代表者

辻谷 俊一  鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (30188544)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード樹状細胞 / ワクチン治療
研究実績の概要

研究協力施設である東京都要町病院腹水治療センターで癌性腹水貯留患者に改良型の難治性胸腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)を行い、樹状細胞ワクチン療法を希望した患者について、濾過フィルターを洗浄し、FACSにて専用ビーズを用い、CD45-EpCAM+癌細胞を癌細胞として回収した。5例中2例の患者で胸水および腹水から十分量の癌細胞を回収し、10本以上のワクチンを製造して樹状細胞ワクチン療法を行った。しかし、いずれも癌の進行が速く、予定した7回のワクチン投与を完遂できずに死亡した。樹状細胞ワクチン療法は、少なくとも5回以上のワクチン投与が必要と報告されているが、今回は2~3回の投与しかできず、治療効果を得ることは困難と考える。したがって、本療法の治療効果を評価するには治療の適応症例の設定が非常に重要と考えられる。通常、癌性胸腹水の貯留した患者の予後は3か月程度と報告されているが、胃癌患者のTS-1投与例では生存期間の延長を認める報告もあり、今後は適切な化学療法との併用が可能な症例を臨床試験の対象として研究を進める必要がある。一方、平成27年度に鳥取大学医学部附属病院では3名の癌性腹水患者のKM-CARTを行った。今後は当院における症例数の増加を促進するとともに、腹水中癌細胞の採取とLysateパルス樹状細胞ワクチンの確立を推進し、がん幹細胞を分離した研究も並行して行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

癌性胸腹水患者から治療に適した樹状細胞ワクチンを樹立し、適切な回数だけ投与する確率が十分と言えない。腹水中癌細胞の中で十分量の癌細胞を回収できる症例の選択に課題がある。樹状細胞ワクチン療法の完遂可能な症例の選択に課題がある。腹水中癌細胞の中からがん幹細胞を分離し、樹状細胞ワクチンが誘導する細胞傷害性Tリンパ球の殺細胞効果を検討するシステムの確立が不十分である。

今後の研究の推進方策

治療に適した症例選択基準を作成するとともに、樹状細胞ワクチンの樹立を確実に行う必要がある。前もって十分量の癌細胞が採取できる患者を選別するために、KM-CART施行前に腹腔細胞診を行い、おおよその癌細胞数を把握する。化学療法により一定の奏効を得られる患者を選択する。安定して樹状細胞ワクチン治療が完遂できる条件を整えて、がん幹細胞に対する治療効果の検討を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] アフェレーシス検体から血中循環癌細胞の分離、培養の試み2015

    • 著者名/発表者名
      征矢良子、田口淳一、永川裕一、岡本正人、辻谷俊一、土田明彦
    • 雑誌名

      癌と化学療法

      巻: 42 ページ: 1069-1092

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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