研究課題/領域番号 |
26461939
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀口 淳 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70272242)
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研究分担者 |
時庭 英彰 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (50455979)
樋口 徹 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00526832)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乳がん / アロマターゼ / エストロゲン受容体 / グルココルチコイド受容体 |
研究実績の概要 |
アロマターゼの発現がRetinoic acid Receptor-related orphan receptor(ROR)αによりコントロールされていることを発見し、アロマターゼ遺伝子上にROR 応答領域を同定した。さらにアロマターゼ遺伝子の活性化に起因すると考えられるエストロゲン感受性乳癌細胞株の増殖能活性化も確認した。乳癌組織を用いたRORα、GRおよびアロマターゼのmRNA発現解析結果によるとRORαおよびGRにはアロマターゼ発現との間に正の相関関係を確認できた。また,我々は,real-time PCR法により確認されたERα遺伝子のpromoter usageが臨床乳癌再発のための有効な評価因子となりうるかどうかを検討した。ERα陽性乳癌細胞株ではMCF-7、T-47D、ZR-75-1の3株を対象とした。ERα陽性乳癌株では3株ともにpromoter Aからの転写産物が最も多く、次いでpromoter C、Dの順に多かった。臨床検体では手術を施行されたERα陽性乳癌患者43例を対象とした。臨床検体においてもほぼ全例で乳癌細胞株と同様であった。臨床病理学的因子別の解析においてもpromoter usageに差は認められなかった。転写産物の重回帰分析の結果ではpromoter AだけがERαに対し有意な独立変数であった。さらに乳癌細胞株におけるpromoter 領域のCpGアイランドのDNAメチル化状態を検討したところ、細胞株ごとに異なっておりメチル化単独での転写制御の可能性は低いと考えられた。また、ER陽性乳癌の原発巣においてSTSと6種類のOATPサブタイプのmRNA発現を測定し、臨床病理学的因子との関連を検討した。STSおよびOATPのうち1A2、1B1、1B3、3A1、4A1、5A1の6つのサブタイプのmRNA発現をreal-time PCR法で定量した。STSと複数のOATP mRNA発現は有意に相関したが、特に3A1との相関が高かった。核グレード3群で3A1が有意に低く、5A1発現は低い傾向にあった。リンパ節転移陽性群で3A1発現が有意に低く、5A1発現が低い傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いたアロマターゼ発現の方法論が安定してきた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト乳癌組織を用いて、エストロゲン受容体(ER)α、プロゲステロン受容体(PgR)、グルココルチコイド受容体(GR)およびアロマターゼ発現の関連性について検討を進める。ERα、PgR、GRの発現変化と臨床病理学的検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な消耗品を購入したが、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に有効に使用したい。
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