研究課題
アロマターゼの発現がRetinoic acid Receptor-related orphan receptor(ROR)αによりコントロールされていることを発見し、アロマターゼ遺伝子上にROR 応答領域を同定した。さらにアロマターゼ遺伝子の活性化に起因すると考えられるエストロゲン感受性乳癌細胞株の増殖能活性化も確認した。乳癌組織を用いてRORαおよびGRはアロマターゼ発現と正の相関関係を確認した。ERα遺伝子のpromoter usageの検討ではERα陽性乳癌細胞株MCF-7、T-47D、ZR-75-1の3株ともにpromoter Aからの転写産物が最も多く、次いでpromoter C、Dの順に多かった。ERα陽性乳癌患者の臨床検体を検討し、ほぼ全例で乳癌細胞株と同様の結果を得た。転写産物の重回帰分析ではpromoter AだけがERαに対し有意な独立変数であった。さらに乳癌細胞株におけるpromoter 領域のCpGアイランドのDNAメチル化状態を検討したところ、細胞株ごとに異なっておりメチル化単独での転写制御の可能性は低いと考えられた。また、ER陽性乳癌の原発巣においてSTS (steroid sulfatase) およびOATP(Organic Anion Transporter Peptides)のうち1A2、1B1、1B3、3A1、4A1、5A1の6つのサブタイプの検討ではSTSと複数のOATP mRNA発現は有意に相関したが、特に3A1との相関が高かった。核グレード3群で3A1が有意に低く、5A1発現は低い傾向にあった。アロマターゼ耐性株において発現が減少したOATP 3A1が原発腫瘍においてはSTSと強い相関があったことから、STSやOATPは原発組織においては耐性株とは異なる役割をもつ可能性が示唆された。
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