脂肪細胞は乳腺の重要な構成成分であるが、癌微小環境における脂肪細胞の特徴および働きは明らかではない。今回、我々は癌周囲および非癌部から脂肪組織を単離し、それぞれCancer associated adipocyte(CAA)及びNormal breast adipocyte(NBA)として培養、その形態学的特徴及び増殖性について比較検討を行った。CAAは成熟脂肪細胞で発現するC/EBPαの発現がNBAと比べて有意に低下しており、乳癌微小環境において脂肪細胞はより未分化な状態で存在することが分かった。また、脂肪細胞由来のIL-6やMCP-1は乳癌細胞の走化性やEMTに寄与することが分かった。
|