研究課題/領域番号 |
26461943
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井口 雅史 金沢大学, 大学病院, 助教 (90401918)
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研究分担者 |
田島 秀浩 金沢大学, 大学病院, 講師 (00436825)
宮下 知治 金沢大学, 医学系, 助教 (30397210)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血小板 / 乳癌 / 化学療法抵抗性 / 上皮-間葉転換 |
研究実績の概要 |
乳癌検体の免疫染色から得られた、血小板と化学療法抵抗性の関連性の原因を、血小板由来因子による乳癌の幹細胞性獲得によるものと推測し、基礎実験として乳癌細胞株の血小板添加によるSpheroid形成をin vitroで解析する実験に着手した。健常人より血小板抽出を行い、ヒト乳癌細胞株に血小板を添加すてSphere形成させるSpehere formation assayを行った。具体的には、血小板と乳癌細胞の共培養による相互作用の有無、EMT(上皮-間葉転換)様形態変化を検証した。乳癌細胞株MCF-7、MDA-MB-231、BT-474、BT-20、T47-Dを用いて、ヒト血液より抽出したPRP(多血小板血漿)と72時間共培養した。MCF-7、MDA-MB-231、BT-20、T-47Dでは48時間以降にPLT接着を認め、MCF-7、T-47Dで形態変化を認めたが、Primary由来のcell lineでは接着は確認できなかった。血小板と乳癌細胞の相互作用によりspheroid形成が促される可能性についても検証した。乳癌細胞株としてMCF-7、MDA-MB-231、BT-474を用い、ヒト血液より抽出したPRP(多血小板血漿)と混合させSphere assayを施行したところ、MCF-7、BT-474でPLT in NT(non-treatment)でのSphere形成が確認された。以上より、一部の乳癌細胞株において血小板によるEMTや幹細胞様形質の獲得の関与が示唆されたが、さらになる検証が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳癌検体の免疫染色から得られた、血小板と化学療法抵抗性の関連性の原因を、血小板由来因子による乳癌の幹細胞性獲得によるものではないかと推測し、基礎実験として乳癌細胞株の血小板添加によるSpheroid形成をin vitroで解析する実験に着手した。また、昨年に引き続き、学会発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られたデータの総括と、論文化の準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた基礎実験に使用した乳癌細胞株(MCF-7,MDA-MB-231,BT-474,BT-20,T47-D)やspehere assayに使用する実験試薬の購入が既存のもので賄うことができ、購入の必要性がなくなったことと、予定していた学会発表が中止となったため、これに伴う経費は繰り越しとした。
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次年度使用額の使用計画 |
この未使用額は、最終年度の総括、ならびに学会発表や論文作成の費用として充てる予定である。
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