研究課題/領域番号 |
26461944
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 晃 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい研究員 (00319708)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | MDSC / マイロファージ / 細胞障害活性 / 異種移植 |
研究実績の概要 |
Myeloid Derive Suppressor Cells (MDSC)は、自然免疫および獲得免疫の両方を抑制する非常に多能な免疫抑制性の細胞である。そもそもは、癌患者においてはMDSCは癌細胞周囲に集積し、癌細胞のimmune espapeに関与していることが報告されたが、その免疫抑制効果は移植における拒絶反応においても有効であることが報告されている。 異種移植においても過去に我々っは、NK細胞および細胞障害性T細胞による細胞傷害性活性を抑制することを報告した。(Xenotransplantation 2014:21:46-56, Transplant proc 2014;46:1254-5) その後も、さらに研究を推し進め、MDSCがマクロファージによる細胞障害活性を抑制することが我々の手により明らかとなった。 また、IDO-1インヒビターの投与により、この抑制効果が消失したことよりIDO-1依存的に、NO産出を抑制することにより、細胞障害活性を抑制していることが明らかになった。 これらの成果は、Transplant Immunology誌に投稿し、2015年publishされた。(Maeda A etc Transpl Immunol 2015:33:140-5)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MDSCの異種移植における機能に関してのin vitroの研究は、おおむね順調に進行している。 現在までに、NK,CTL,マクロファージなどの細胞障害活性を抑制することを確認し、報告した。 さらに、ヒト遺伝子のブタ血管内皮細胞への導入も行っており、いくつかの遺伝子に関してはすでにクローニングも終了し、ヒト遺伝子発現株を樹立している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、MDSCの機能に関する研究をさらに推し進めるとともに、今までと同様、ブタ血管内皮細胞への遺伝子導入とクローニングを続ける。 さらに、in vivo研究のために必要なNOGマウスを実験施設へ導入するための準備中である。
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