Wnt5a陽性乳癌は178例中69例(39%)であり、Wnt5a発現とER陽性とは強く相関し(P<0.001)、ER陰性乳癌にはWnt5aはほとんど発現していなかった。ER陽性乳癌153例におけるWnt5a発現は悪性度と相関しており、無再発生存期間はWnt5a陽性乳癌がWnt5a陰性乳癌よりも短かった(P=0.036)。Wnt5aを恒常的に発現させたMCF7細胞(Wnt5a発現乳癌細胞)はコントロール細胞と比較して有意に遊走能が亢進していたため、そのメカニズムを明らかにするためDNAマイクロアレイを行い、Wnt5aによって発現が誘導される分子としてALCAMを同定した。
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