ゲノム異常の程度は乳癌のサブタイプによって大きく異なることが示された。ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性タイプで悪性度が低いと考えられる症例では、ゲノム異常は著明に低頻度であった。一方、HER2タイプやトリプルネガティブタイプではゲノム異常は高度であったが、このような症例では化学療法が行われることが多く、ゲノム異常の多いものの中に抗癌剤感受性が高いものが含まれることから、ゲノム異常が予後に直接結びつかないことが示された。一方、HR陽性/HER2陰性タイプにおいては、ゲノム異常が高度な症例において有意に予後不良であり、このような症例においてホルモン耐性であることが示唆された。
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