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2015 年度 実施状況報告書

Exosomal CEACAM1をターゲットとした大腸癌新規腫瘍マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461958
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

横山 省三  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90398462)

研究分担者 堀田 司  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50244744)
瀧藤 克也  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (00254540)
松田 健司  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30398458)
山上 裕機  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCEACAM1 / exosome / 大腸癌
研究実績の概要

①大腸患者血中のCEACAM1, CEACAM5およびCEACAM6の臨床学的意義
exosome上のCEA familyを検索する前に、血清中におけるCEACAM1および同じCEA familyに属する大腸癌の腫瘍マーカーであるCEA(CEACAM5)と好中球に発現するCEACAM6との関連について評価する必要がある。この比較により、CEACAM1の変化が血球系細胞の依存しないかどうかを評価する。大腸癌患者27例の血清についてCEACAM1, CEACAM5およびCEACAM6をELISAを用いて測定し、さらに臨床病理学的因子 について検討し、CEACAM6が遠隔転移と関連する可能性が示唆された。
②大腸患者血中exosome上のCEACAM1, CEACAM5およびCEACAM6測定と臨床学的意義
これまでにわれわれは、腫瘍におけるCEACAM1細胞内ドメインisoform balanceについて、大腸癌の臨床検体の浸潤先進部においてCEACAM1-LがCEACAM1-Sに対し優位な症例では、有意にリンパ節および血行性転移、予後と相関すること、また大腸癌培養細胞HT29にCEACAM1-4Lを強制発現させることで癌細胞の浸潤能は増強し、大腸癌培養細胞HT29およびLS174TにCEACAM1-4Sを強制発現すると浸潤能を抑制することを報告してきた。さらに、大腸癌発育先進部間質内に、3次元培養やマウスモデルで観察される中空を伴う球体が存在することを確認し、buddingよりも転移や予後との関連を認めることを報告してきた。肝転移巣ではCEACAM1-4Lがより強発現し、さらにCEACAM1-4Sも強発現することによりCD44の発現が促進され、足場非依存性増殖能を得ることを確認した。本研究では、CEACAM1のexosome上の発現のみでなくCEACAM5およびCEACAM6の発現についても検討した。大腸癌患者16例の血液Exoquickを用いてexsosomeを抽出し、ELISAを用いて測定した結果、転移を有する症例で高くなる傾向を認め、また3つのマーカーの組み合わせにより転移の有無に関する診断率が高くなる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸癌患者血清中のexosome上の蛋白質を測定するElisa法が確立されておらず、測定法に関する研究を行っているため。

今後の研究の推進方策

大腸癌患者血清中のexosome上のCEACAM1 isoform balanceの同定の前段階として、これまでに血清中のCEACAM familyの状態について確認した。血清中のexosome上のCEACAMの測定について検討し、preliminaryなデータを得ている。今後は、CEACAM1遺伝子導入培養細胞株を使った、exosomeの量およびCEA familyの発現変化にについて、基礎的に検討する予定である。①CEACAM1遺伝子導入細胞由来培養液中exosome上のCEACAM1細胞内ドメインバランスの変化. 大腸癌培養細胞株HT29およびHCT116にCEACAM1-4Lまたは-4Sを強制発現させた細胞の培養上清に分泌されたexosomeを分離し、exsosome中のCEACAM1細胞内ドメインisoform balanceの変化が細胞での発現と相関することを明らかにする。②血中exosome上のCEACAM1細胞内ドメインisoform balanceの同定と臨床学的意義. CEACAM1が進行大腸癌において浸潤先進部で再発現し、浸潤した癌細胞は大腸癌発育先進部間質において中空を伴う球体を形成し、肝転移巣でCEACAM1の発現がさらに増強し、CEACAM1が大腸癌の転移や予後に相関することがすでに明らかであり、今回は血中のexosomeにおけるCEACAM1の発現と細胞内ドメインisoform balanceが臨床病理学的因子と相関し、大腸癌の早期診断および再発診断に応用可能であることを明らかにする。③CEACAM1関連マイクロRNAの解析とexosome内の新規腫瘍マーカーの開発. これまでに、CEACAM1-4Lおよび-4Sを強制発現させた大腸癌培養腫瘍株HCT116に対し、messenger RNA (mRNA)およびmicroRNA(miRNA)について 網羅的に検討し、CEACAM1 mRNAの発現により変化を受ける、miRNAを同定した。このmiRNAの発現により誘導される上皮間葉転換および間葉上皮転換および幹細胞性における役割を明らかにし、血中exosome内のmiRNA発現が大腸癌の診断に応用可能であることを確認する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Expression of P4H9 detecting molecule on spindle shaped fibroblasts indicates malignant phenotype of colorectal cancer2016

    • 著者名/発表者名
      横山省三
    • 学会等名
      ASCO-GI
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2016-01-23
    • 国際学会
  • [学会発表] CEACAM1細胞内ドメインisoform balanceとHollow spheroid formatonによる大腸癌細胞の5FUに対する感受性変化2015

    • 著者名/発表者名
      横山省三
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2015-10-09
  • [学会発表] 大腸癌の抗癌剤感受性と腫瘍形成能におけるCEACAM1の役割2015

    • 著者名/発表者名
      横山省三
    • 学会等名
      日本がん転移学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2015-07-23

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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