本研究は乳癌患者の治療中の免疫状態を経時的に解析することで、新たな治療効果予測因子を同定することを目的としている。 これまでにのべ250検体の末梢血単核球および血清の単離と凍結保存を行った。ホルモン療法を施行された乳がん患者の治療前後の末梢血単核球、血清を保存し、ホルモン療法が宿主免疫系に与える影響および宿主免疫状態がホルモン療法の治療効果に影響を与えるかについて現在、解析中である。末梢血単核球については、マルチカラーフローサイトメーターを用いた免疫プロファイリング解析を行い、血清については血中のエストラジオール濃度、各種サイトカイン、免疫関連タンパクの濃度を測定している。本研究において、ホルモン療法によって、制御性T細胞をはじめとして血中の免疫抑制細胞が減少するか否か、治療前の免疫状態がホルモン療法の治療効果と相関するか否かについて明らかにしたい。
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