研究実績の概要 |
申請した交付申請書、平成26年度計画に従って研究を行った。 BAP1及びNPM1をフラグメント化し、pcDNA3 ベクター、pET ベクターにサブクローニングを行った。NPMは、1-122,122-212,212-294の3種類に断片化した。BAP1は1-188,179-365,357-536,529-729の4種類に断片化を行った。次に作成したBAP1とNPM1のフラグメントを293T細胞に一過性過剰発現させ10Gyの放射線を照射した後、結合状態をウエスタンブロットにて確認した。BAP1側での免疫沈降、NPM1側での免疫沈降を行い結合部位の同定を試みた。その結果、BAP1,NPM1共に結合しているフラグメントが判明した。 次に断片化したBAP1,NPM1それぞれ大腸菌を用いて遺伝子組換えタンパク質を作成した。作成した組換えタンパク質を用いてSPR解析を行った。まず最初にBAP1フラグメントをリガンドとして測定、次にNPM1フラグメントをリガンドにして双方向での結合部位の検討を行った。細胞を用いた一過性過剰発現でのBAP1とNPM1の結合するフラグメントとSPR解析の結合フラグメントが一致した。この事からBAP1とNPM1の結合は他のタンパク質を介在させる事無く起きている現象と推測される。今回行った実験の結果からNPM1側ではアミノ酸残基1-122でBAP1と結合している事が判明した。次に結合部位をさらに細かく解析する為にNPM1の欠損型遺伝子をpcDNA3 ベクター、pET ベクターにサブクローニングした。全長の遺伝子からΔ1-33,Δ34-39,Δ40-93,Δ94-102,Δ103-119のアミノ酸残基を欠損させた。この5種類の遺伝子を一過性過剰発現でのウエスタンブロットと組換えタンパク質を用いたSPR解析でさらに詳細な結合部位を検討した。
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