研究課題/領域番号 |
26461967
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
三浦 康 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40282074)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 消化器癌 / 選択的pre-mRNAスプライシング / 治療標的 / 新規治療法 / 浸潤転移 / 発がん / 大腸癌 |
研究実績の概要 |
1.臨床および研究環境の整備(担当:三浦、がんセンター病院の外科スタッフ):三浦は2013年4月に同病院および研究所に着任した。臨床および研究の環境を整備するために、2014年に診療情報ネットワークから独立させたコンピュータを導入し、患者情報および臨床検体のデータベースの構築と整備を進めてきた。 2.解析対象となる外科切除標本 (担当:三浦、がんセンター病院の外科スタッフ):倫理規定のもとに当科で採取、保存している消化器癌の外科切除新鮮凍結標本と対応する正常組織標本を採取さらに蓄積して、臨床情報と併せてデータベース化を進めた。2014年度の研究対象となる手術症例は約450例で、手術時の臨床情報を蓄積し、予後にもとづく情報も集積中である。対応する症例の消化器癌の外科切除例の新鮮標本および固定標本を、病理部との連携のもとで蓄積中であり、研究材料として活用を進めている。 3.癌に特異的なスプライシング異常をもつ候補遺伝子の抽出 (担当:三浦、研究所スタッフ):スプライシング異常を同定するために、生命情報科学の解析技術を活用しつつ、 NCBIほかの各種データベースの検索を進めるとともに、同研究所の田沼延公主任研究員らとともに、pyruvate kinase, muscle (PKM)遺伝子のisozymes (PKM1, PKM2)の選択的pre-mRNAスプライシングによる調節機構の研究に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年4月以降、患者情報および臨床検体のデータベースの構築と整備は、順調に達成できている。今後数年をかけて、さらに充実させていく基盤は、ほぼできあがったと考えている。病院内、特に外科スタッフとの連携は順調に構築できている。研究所スタッフとの連携も、順調に進んでいる。選択的pre-mRNAスプライシングの基礎的な解析を進めると同時に、臨床検体を用いた検証を行う態勢を整えていく。 平成27年度は、PKM遺伝子、その他について、癌における選択的スプライシングによる調節機構、特に cis-elements、trans-elements、およびsplice variantsの解析に取組んでいく。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究の推進方法に大きな変わりはない。関連する消化器癌の研究として平成26年度以降、三浦は、Miura K, et al. Expert Opin Drug Discov. 2015 Apr;10(4):411-26; Kajiwara T, Miura K, et al. Int J Clin Oncol. 2015 Feb 5; Miura K, et al. Expert Opin Drug Discov. 2014 Sep;9(9):1087-101; Komura T, Miura K, et al. Int J Clin Oncol. 2015 Feb;20(1):117-25など(いずれもcorresponding author)を論文発表してきた。上述した研究計画を推進していくと同時に、本研究について学会発表、論文発表を通して、研究結果を公表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
残余額として92,879円が生じ、次年度の物品費等に活用する方針とした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品費等に活用する方針である。
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