研究課題
GIST手術検体からのGIST細胞株樹立については、monoclonalな安定した細胞株の樹立に至らず継代が困難であり、現時点でin vitroの実験を安定的に施行することは困難な状況である。引き続きGIST手術標本を採取し細胞株樹立を試みている。当科および北関東の関連施設においてGIST234例のデータベースを作成しているが、病理学的検討が可能な臨床検体のある97症例についてFBXW7の免疫染色を行い、病理学的因子、予後との関連につき検討した。FBXW7はGISTの腫瘍部にて全例で発現をみとめた。発現強度を1+、2+、3+の3群に分け検討すると、FBXW7高発現群で予後不良の傾向をみとめた。症例数を増やしての検討や、イマチニブ等分子標的薬使用症例での治療効果、予後との関連につき検討するため現在、更なるGIST臨床検体および臨床データの集積を目指し各施設の倫理委員会へプロトコールを提出、承認をいただいた。臨床データにつき学会、シンポジウム等で発表した。in vitroの実験では、先述した通り自施設でのGIST細胞株樹立が困難なため、GIST-T1細胞株を用いてFBXW7の抑制実験を施行している。siRNAによる抑制ではトランスフェクションの方法としてリポフェクション法およびエレクトロポレーション法にて導入効率の条件検討も行った上で施行した。施行後の細胞にGFPによる発光を確認しており、導入自体はできていると考えられるがWestern blot法での確認ではタンパクの抑制を確認できなかった。shRNAによる抑制も試みたが、この方法もWestern blotにて抑制は確認できなかった。通常の方法での抑制が困難でありCrispr/Cas9法にてFBXW7の抑制実験を進めていく予定である。
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