研究課題
当研究の目標は、漿膜浸潤を認める胃癌において、術後の化学療法としてPaclitaxel→5FU系薬剤逐次併用の効果を検証した臨床検体を用いて予後因子や効果予測因子を検索することを目的としている。検討すべき分子にはThymidylate synthase (TS)、Orotate phosphoribosyltransferase (OPRT)、やEpidermal growth factor receptors (EGFR)やInsulin-like growth factor-1 receptor (IGF1R)などがある。しかし、他の臨床試験の解析から、TSは予後良好因子、OPRTは予後とは関係ないという結果が得られ、この結果はこれまでの通説と矛盾することから、検討すべき因子を解明するために、細胞株を用いて5FUの作用機序や耐性機序を解析した。MKN45とその5FU耐性株MKN45/F2Rを用いた解析では、OPRTの低下は通説どおり5FU耐性と関連していたが、5FU耐性株ではOPRTの代謝を経ないFluoro-deoxyuridine (FdU)に対しても耐性を呈するため、OPRT低下とは別の耐性機序が存在することが示唆された。5FU耐性株では5FUの活性体であるFluoro-deoxyuridine monophosphate (FdUMP)が低下しているが、これはdeoxyuridine (dU)の併用で上昇した。この結果は5FU耐性株がFdUMPを解毒する機序を有しており、dUがこの機序を阻害すると考えられ、FdUMPを解毒する機序としてNucleotidase (NT)による脱リン酸化が考えられた。これらの結果から新規の効果予測因子としてこのNTと、逆反応を担うThymidine kinase (TK)が候補に挙がった。
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