研究課題/領域番号 |
26461976
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
沖上 正人 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (90722596)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422824)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
毛利 靖彦 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (70345974)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | micro RNA / 胃癌 / 血清 / 腹膜播種 / 遠隔転移 / 予後マーカー |
研究実績の概要 |
1.網羅的microRNA(miRNA)解析を胃癌腫瘍組織、正常組織よりtotal RNAを抽出し、microRNAarrayにてそれぞれサンプルの網羅的microRNAs発現を解析した。 2.胃癌患者の術前血清と術後血清よりtotal RNAを抽出し、miRNAarrayにてそれぞれのサンプルの網羅的miRNAs発現を解析した。 3.2の解析の結果、上皮間葉移行に関わるmiRNAが胃癌の遠隔転移と相関しており、さらに、200例以上の胃癌患者血清を用いその検証を行いその結果、血清miR-203を同定した。 4.検証解析は、血清miR-203はステージⅠ-Ⅲの胃癌患者よりも、ステージⅣ胃癌患者で有意に低かった。血清中のmiR-203はより高いTステージ、脈管侵襲、リンパ節転移、腹膜転移、及び遠隔転移を有する胃癌患者で有意に低かった。血清miR-203の低発現は無病生存率及び全生存率の低さと関連していた。多変量解析では、血清miR-203の低発現がリンパ節、腹膜、及び遠隔転移と関連しており、胃癌患者の予後不良の独立した予測マーカーであることを明らかにした。 5.さらに腹膜播種に関連する候補miRNAの標的となりうる Angiopoietin-like protein-2 (ANGPTL2),ならびにMetastasis associated protein (MTA) familyに着目し、胃癌摘出標本と血液を用いた、Non-invasive biomarkerとしての有用性を検討した結果、胃癌組織におけるMTA-1発現は腹膜播種予測因子として有用であること、さらに胃癌組織ANGPTL2高発現、並びに血清におけるANGPTL2濃度上昇は、腹膜播種と相関し予後不良群の鑑別に有用である可能性を示した。
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