DNA損傷に関与するPARPの阻害剤(Olaparib)を用いた細胞遺伝学的解析により、正常細胞において、ゲノム不安定性の指標である姉妹染色分体交換、染色体異常の増加をそれぞれ、5-10倍、2-6倍認めた。PARP阻害剤は正常細胞にもゲノム不安定性を引き起こすため、非腫瘍性疾患や早期癌の治療、また予防的投与として使用する場合は、特に十分な配慮が必要と考えられた。また、食道癌組織を用いた免疫関連分子の発現の検討では、PD-L1高発現/HLA classⅠ高発現は独立した予後不良因子であり、PD-L1、HLA classⅠ発現の評価が、予後予測に有用と考えられた。
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