• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

胃癌のバイオマーカーによるリスク層別化キットと低分子抗癌剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461984
研究機関横浜市立大学

研究代表者

大島 貴  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10448665)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードバイオマーカー / 胃癌 / 新規ターゲット
研究実績の概要

2つの異なるコホートである横浜市立大学附属病院と神奈川県立がんセンターのStage II/III胃癌症例の凍結検体を用いて127遺伝子の発現量を測定し,再現性を有するリスク層別化マーカー候補として同定されたSPARC, INHBA, KIAA1199について,上記と異なるコホートのStage II/III胃癌より作成された約1000症例のtissue microarrayを用いた免疫染色を行い,StageII/III胃癌根治切除後のリスク層別化の可能性を検討したが,上記3つのタンパクでは,単独,組み合わせともに有意にリスク層別することはできなかった。
そこで, リスク層別化タンパク候補の再検索を行う方針とし,統計解析方法を変更し,2つのコホートで再現性のあるリスク層別化マーカーを検索した結果,上記に加えて11遺伝子:ERBB2, CXCR4, VSNL1, MMP11, CCR7, MRP1, CEACAM7, TP53, EZH2, PDGFRB, VCAM1がマーカー候補として同定した。
KIAA1199をターゲットとした低分子抗がん剤の開発では,設計した低分子抗がん剤候補のコンパウンドの抗腫瘍効果について,二つの胃癌細胞株(MKN-45,MKN-74)を用い,MTT assayにてスクリーニングを行った。その結果,抗腫瘍効果を有する低分子抗がん剤候補として12種類のコンパウンドが同定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2つの異なるコホートである横浜市立大学附属病院と神奈川県立がんセンターのStage II/III胃癌症例の凍結検体を用いて127遺伝子の発現量を測定し,再現性を有するリスク層別化マーカー候補として同定されたSPARC, INHBA, KIAA1199について,上記と異なるコホートのStage II/III胃癌より作成された約1000症例のtissue microarrayを用いた免疫染色を行い,StageII/III胃癌根治切除後のリスク層別化の可能性を検討した。しかし,上記3つのタンパクでは,単独,組み合わせともに有意にリスク層別することはできなかった。
そこで, リスク層別化タンパク候補の再検索を行う方針とし,統計解析方法を変更し,2つのコホートで再現性のあるリスク層別化マーカーを検索した。その結果,上記に加えて11遺伝子:ERBB2, CXCR4, VSNL1, MMP11, CCR7, MRP1, CEACAM7, TP53, EZH2, PDGFRB, VCAM1がマーカー候補として同定された。これらのマーカー候補について約1000症例のtissue microarrayを用いた免疫染色を行った。現在,Stage II/III胃癌根治切除後のリスクを層別化しうるタンパクの組み合わせについて検討中である。
KIAA1199をターゲットとした低分子抗がん剤の開発では,設計した低分子抗がん剤候補のコンパウンドの抗腫瘍効果について,二つの胃癌細胞株(MKN-45,MKN-74)を用い,MTT assayにてスクリーニングを行った。その結果,抗腫瘍効果を有する低分子抗がん剤候補として12種類のコンパウンドが同定された。現在,胃癌に対する既存の薬剤との組み合わせによる相乗効果について検討中である。

今後の研究の推進方策

バイオマーカーを用いた胃癌の再発リスク層別化キットの開発研究では,リスク層別化タンパク候補を再検索して13種類の候補タンパクについて約1000症例のtissue microarrayを用いた免疫染色を行った。現在,Stage II/III胃癌根治切除後のリスクを層別化しうるタンパクの組み合わせについて検討中である。さらに,プロテオミクスを用いたアプローチからもリスク層別化タンパクを探索する目的で,「3年未満で再発死亡したStageIII胃癌症例12例」と,「5年以上無再発生存症例12例」を用いて探索的プロテオーム解析を施行する。
KIAA1199をターゲットとした低分子抗がん剤の開発では,抗腫瘍効果を有する低分子抗がん剤候補として絞り込んだ12種類の薬剤にについて,胃癌に対する既存の薬剤との組み合わせによる相乗効果について検討してさらに絞り込みを行い,最終的な候補薬剤について,xenograft modelを用いて有用性,最大耐用量および有害事象について検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Clinical significance of IGF1R gene expression in patients with Stage II/III gastric cancer who receive curative surgery and adjuvant chemotherapy with S-1.2016

    • 著者名/発表者名
      Numata K, Oshima T, Sakamaki K, Yoshihara K, Aoyama T, Hayashi T, Yamada T, Sato T, Cho H, Shiozawa M, Yoshikawa T, Rino Y, Kunisaki C, Akaike M, Imada T, Masuda M.
    • 雑誌名

      Journal of Cancer Research and Clinical Oncology

      巻: 142 ページ: 415-422

    • DOI

      10.1007/s00432-015-2039-6.

    • 査読あり
  • [学会発表] Stratification Markers for the Risk of Recurrence after Curative Resection of2016

    • 著者名/発表者名
      Oshima T, Sakamaki K, Miyagi Y, Cho H, Shiozawa M, Yoshikawa T, Rino Y, Kunisaki C, Tuburaya A, Imada T, Masuda M
    • 学会等名
      American Association of Cancer Research Annual Meeting
    • 発表場所
      Ernest N. Morial Convention Center New Orleans, Louisiana, USA
    • 年月日
      2016-04-16 – 2016-04-20
    • 国際学会
  • [学会発表] StageII/III胃癌根治切除後のリスク層別化マーカー検索と臨床応用2015

    • 著者名/発表者名
      大島貴,木村弥生,中居祐介,坂巻顕太郎,宮城洋平,山中正二,長晴彦,塩沢学,吉川貴己,利野靖,安井弥,今田敏夫,益田宗孝
    • 学会等名
      日本癌治療学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-31
    • 招待講演
  • [学会発表] Stratification Markers for Risk of Recarrence after curative Resection of Stage II or III Gastric Cancer and Potential Clinical Applications.2015

    • 著者名/発表者名
      Oshima T, Sakamaki K, Miyagi Y, Cho H, Shiozawa M, Yoshikawa T, Rino Y, Kunisaki C, Tuburaya A, Imada T, Masuda M
    • 学会等名
      American Society of Clinical Oncology Annual Meeting
    • 発表場所
      McCormick Place, Chicago, Illinois, USA
    • 年月日
      2015-05-29 – 2015-06-29
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi