研究実績の概要 |
1. 次世代シークエンサーを用いた臨床検体における変異遺伝子の同定 平成元年から平成20年度の間に食道癌手術症例のうち48検体について、Truseq Custum Trial kit(Cancer Gene)の400遺伝子についてシークエンスを終了している。T1からT2、T2からT3へと進行するにしたがって増える遺伝子変異を統計解析し、現在までに7種類の遺伝子(AKAP9,ATM,CYTSB,DDX10,MYH7,MYST4,PRDM16)を同定した。またN0とN1の比較において8種類の変異遺伝子(BCR,CARD11,FANCA,JAZF1,NIN,NSD1,RANBP17,REQL4)を同定した。さらにデータを絞込み、coverageは100以上、coding領域のみの変異、silent変異は除外、変異が4症例以下のものは除外、のcriteriaをクリアしたATM(変異と食道癌放射線感受性に関連の報告)、NIN(GSK3Bに結合)に関してはSNPデータベースを突き合わせ、SNPを除外することができた。しかしながら、他の遺伝子については、未知のSNPが含まれている可能性があり、さらにデータベースとの検討を行っている。 2. 食道癌臨床検体150検体における遺伝子変異解析 ATM,NIN遺伝子に対しては、さらにサンガー法にて症例数を計150症例まで増やしていく予定で、現在臨床検体からGenomicDNAを150例抽出終了した。
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