研究課題
食道癌手術症例のうち48検体について、Truseq Custum Trial kit(Cancer Gene)の400遺伝子についてシークエンスを終了し、T1からT2、T2からT3へと進行するにしたがって増える遺伝子変異を統計解析し、現在までに7種類同定した。またN0とN1の比較において8種類の変異遺伝子を同定した。現時点でT因子に関わる候補変異遺伝子は、AKAP9、ATM、CYTSB、DDX10、MYH7、MYST4、PRDM16である。個々の遺伝子につき、Wild typeの発現ベクター(pcDNA3.1)およびhot spotのmutant発現ベクターを作成中である。その上で、食道正常細胞株HET1Aに導入する予定である。 発現ベクターの作成に手間取っており、外注も考慮中である。細胞株に導入し、細胞増殖をギムザ染色、MTTアッセイ、およびcell invasion assayを行う予定である。現時点でN因子に関わる候補変異遺伝子は、BCR、CARD11、FANCA、JAZF1、NIN、NSD1、RAMBP17、REQL4であり、これらについても個々の遺伝子につき、Wild typeの発現ベクター(pcDNA3.1)およびhot spotのmutant発現ベクターを作成中である。変異症例のcDNAから、RT PCRをかけて遺伝子領域を増幅したのち、発現ベクター(pcDNA3.1)にクローニングする予定である。特に転移能を獲得するにいたった遊走能に着目したい。
3: やや遅れている
研究協力者の変更、転勤により、人員不足によりベクター作成が進まなかった。また発現ベクターの作成は、困難なものもあり、進行が遅れた。SNPデータベースとの比較に予想以上に時間がかかったため。
今後GenomicDNAをPCRで増幅し、ダイレクトシークエンスを行い、次世代シークエンスで得られた変異部位、Hot spotの有無などをさらに確認する。また食道癌細胞株TEシリーズ、KYSEシリーズに関しても候補遺伝子に関するダイレクトシークエンスを行い、statusを確認する。
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