食道癌におけるポストゲノムシークエンスの変異遺伝子機能解析

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26461986
• 研究機関: 名古屋市立大学
• 研究代表者: 木村 昌弘 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (50336682)
• 研究分担者: 石黒 秀行 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10363920) ; 田中 達也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (20529169)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 次世代シークエンス / 食道癌

研究実績の概要

前年度までに食道癌手術症例のうち48検体について、Truseq　Custum　Trial　kit（Cancer Gene）の400遺伝子についてシークエンスを終了し、T1からT2、T2からT3へと進行するにしたがって増える遺伝子変異を統計解析し、現在までに7種類（AKAP9、ATM、CYTSB、DDX10、MYH7、MYST4、PRDM16）同定した。またN0とN1の比較において8種類の変異遺伝子（BCR、CARD11、FANCA、JAZF1、NIN、NSD1、RAMBP17、REQL4）を同定した。
学会発表などで、この400遺伝子での解析が、3万遺伝子の全ゲノム解析とほぼ同様の結果が得られていることに気づいた。そのため、食道癌で半数に変異が見られたｐ５３のstatusを再度確認したところ、やはり半数に変異が認められた。さらに１０％程度の頻度の変異であるが、NOTCH１の詳細な検討を行った。その結果、NOTCH1については、免疫組織染色で核に発現している症例は予後不良であった。これらが変異とどう関与しているか、directシークエンスを施行予定であるが、NOTCH1の配列が非常に長いため、cDNAのPCRによる増幅についてもうまくいっていない。今後再検討し、Wildtypeの発現ベクターは作成したため、これらを導入するため、細胞株におけるstatusを確認する予定である。
変異解析については、現在までのデータをまとめ、論文作成中である。

研究成果

• [雑誌論文] Decreased expression of CDH1 or CTNNB1 affects poor prognosis of patients with esophageal cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: Ishiguro H, Wakasugi T, Terashita Y, Sakamoto N, Tanaka T, Mizoguchi K, Sagawa H, Okubo T, Takeyama H.
  • 雑誌名: World J Surg Oncol 巻: 14 ページ: 1-8
  • DOI: 10.1186/s12957-016-0956-8
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Clinical significance of NOTCH1 intracellular cytoplasmic domain translocation into the nucleus in gastric cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: Saito S, Ishiguro H, Kimura M, Ogawa R, Miyai H, Tanaka T, Mizoguchi K, Takeyama H.
  • 雑誌名: Biomed Rep 巻: 5 ページ: 344-348
  • DOI: 10.3892/br.2016.723
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Laparoscopically resected obturator nerve schwannoma: A case report. (2016)
  • 著者名/発表者名: Takahashi H, Hara M, Tsuboi K, Sagawa H, Ishiguro H, Matsuo Y, Takeyama H.
  • 雑誌名: Asian J Endosc Surg 巻: 9(4) ページ: 307-310
  • DOI: 10.1111/ases.12291
  • 査読あり
• [雑誌論文] 腸閉塞で発症した小腸アニサキス症の1例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 溝口公士、石黒秀行、松尾洋一、寺下幸夫、佐川弘之、竹山廣光
  • 雑誌名: 日本腹部救急医学会雑誌 巻: 36 ページ: 1261-1264
  • 査読あり
• [学会発表] 胃癌手術症例における栄養学的指標と予後の検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小川 了、佐川弘之、田中達也、坂本宣弘、石黒秀行、竹山廣光
  • 学会等名: 第89回日本胃癌学会総会
  • 発表場所: 広島国際会議場（広島県・広島市）
  • 年月日: 2017-03-08 – 2017-03-10
• [学会発表] 食道癌手術症例における栄養学的指標と術後合併症および予後との検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小川 了、佐川弘之、田中達也、坂本宣弘、寺下幸夫、石黒秀行、竹山廣光
  • 学会等名: 第32回日本静脈経腸栄養学会学術集会
  • 発表場所: 岡山シンフォニーホール（岡山県・岡山市）
  • 年月日: 2017-02-23 – 2017-02-24
• [学会発表] 食道癌術後の繰り返す誤嚥性肺炎にバリウムゼリーによるVF検査が有用であった一例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 坂本宣弘、田中達也、石黒秀行、竹山廣光
  • 学会等名: 第32回日本静脈経腸栄養学会学術集会
  • 発表場所: 岡山シンフォニーホール（岡山県・岡山市）
  • 年月日: 2017-02-23 – 2017-02-24
• [学会発表] 胸腔鏡下摘出術を施行した食道GISTの2例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 大久保友貴、石黒秀行、寺下幸夫、坂本宣弘、小川 了、田中達也、佐川弘之、佐本洋介、竹山廣光
  • 学会等名: 第13回日本消化管学会総会学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2017-02-17 – 2017-02-19
• [学会発表] 当院における胃肝様腺癌(Hepatoid adenocarcinoma of the stomach)の臨床病理学的検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐川弘之、石黒秀行、松尾洋一、寺下幸夫、高橋広城、坂本宣弘、原 賢康、小川 了、田中達也、大久保友貴、佐本洋介、竹山廣光
  • 学会等名: 第13回日本消化管学会総会学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2017-02-17 – 2017-02-19
• [学会発表] 腹腔鏡手術を施行した食道裂孔ヘルニア合併胃癌の2例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 若杉健弘、寺下幸夫、坂本宣弘、田中達也、佐川弘之、石黒秀行
  • 学会等名: 第29回日本内視鏡外科学会総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
  • 年月日: 2016-12-08 – 2016-12-10
• [学会発表] 内視鏡ホルダーロボット「EMARO」の腹腔鏡下胆嚢摘出術での使用経験 (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐川弘之、石黒秀行、松尾洋一、若杉健弘、寺下幸夫、高橋広城、坂本宣弘、原 賢康、田中達也、森本 守、坪井 謙、佐藤崇文、志賀一慶、社本智也、竹山廣光
  • 学会等名: 第29回日本内視鏡外科学会総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
  • 年月日: 2016-12-08 – 2016-12-10
• [学会発表] 胸腔鏡下に修復した食道癌術後胃管縫合不全の一例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石黒秀行、寺下幸夫、坂本宣弘、小川 了、田中達也、佐川弘之、竹山廣光
  • 学会等名: 第29回日本内視鏡外科学会総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
  • 年月日: 2016-12-08 – 2016-12-10
• [学会発表] 感染性胸部大動脈瘤食道穿破に対し2期的手術を行った1例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 田中達也、石黒秀行、寺下幸夫、坂本宣弘、竹山廣光、須田久雄
  • 学会等名: 第78回日本臨床外科学会総会
  • 発表場所: グランドプリンスホテル新高輪（東京都・港区）
  • 年月日: 2016-11-24 – 2016-11-26
• [学会発表] 胃癌合併食道癌手術の検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 田中達也、石黒秀行、寺下幸夫、坂本宣弘、溝口公士、竹山廣光
  • 学会等名: 第14回日本消化器外科学会大会
  • 発表場所: 神戸コンベンションセンター（兵庫県・神戸市）
  • 年月日: 2016-11-03 – 2016-11-06
• [学会発表] NOTCH1はベータカテニン核移行に必要である (2016)
  • 著者名/発表者名: 石黒秀行、寺下幸夫、佐川弘之、竹山廣光
  • 学会等名: 第58回日本消化器病学会大会
  • 発表場所: 神戸コンベンションセンター（兵庫県・神戸市）
  • 年月日: 2016-11-03 – 2016-11-06
• [学会発表] 胃癌術後の癌性腹膜炎との鑑別に苦慮した結核性腹膜炎の1例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 若杉健弘、石黒秀行、松尾洋一、寺下幸夫、坂本宣弘、田中達也、溝口公士、佐川弘之、竹山廣光
  • 学会等名: 第14回日本消化器外科学会大会
  • 発表場所: 神戸コンベンションセンター（兵庫県・神戸市）
  • 年月日: 2016-11-03 – 2016-11-06
• [学会発表] Notch1はWnt/β-catenin経路を活性化する (2016)
  • 著者名/発表者名: 大久保友貴、石黒秀行、寺下幸夫、坂本宣弘、田中達也、佐川弘之、佐本洋介、竹山廣光
  • 学会等名: 第27回日本消化器癌発生学会総会
  • 発表場所: 城山観光ホテル（鹿児島県・鹿児島市）
  • 年月日: 2016-09-15 – 2016-09-16
• [学会発表] 消化管癌におけるNOTCH1の関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石黒秀行、若杉健弘、寺下幸夫、坂本宣弘、田中達也、溝口公士、佐川弘之、大久保友貴、竹山廣光
  • 学会等名: 第71回日本消化器外科学会総会
  • 発表場所: あわぎんホール（徳島県・徳島市）
  • 年月日: 2016-07-14 – 2016-07-16
• [学会発表] 腸管虚血性疾患における腸管切除範囲決定に対するICG蛍光血管造影検査の有用性の検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐川弘之、原 賢康、志賀一慶、社本智也、坪井 謙、高橋広城、石黒秀行、松尾洋一、竹山廣光
  • 学会等名: 第71回日本消化器外科学会総会
  • 発表場所: あわぎんホール（徳島県・徳島市）
  • 年月日: 2016-07-14 – 2016-07-16
• [学会発表] Zenker憩室の切除方法の工夫 (2016)
  • 著者名/発表者名: 田中達也、石黒秀行、寺下幸夫、坂本宜弘、溝口公士、竹山廣光
  • 学会等名: 第70回日本食道学会
  • 発表場所: ザ・プリンスパークタワー東京（東京都・港区）
  • 年月日: 2016-07-04 – 2016-07-06