転移のないリンパ節と転移のあるリンパ節よりLECを分離し、それぞれNLEC、TLECと名付けた。TLECは繊維芽細胞のような紡錘形の形態であり、通常の内皮細胞と異なる形態を示しNLECと比較し高い増殖能・遊走能を有していた。TLECでは炎症性サイトカインや好中球遊走性因子の遺伝子発現が顕著に増加し、TLECの培養上清では血管・リンパ管新生因子であるVEGF-A,VEGF-Cの上昇がみられた。胃癌所属リンパ節内には正常のLECとは異なる性質をもった腫瘍関連LEC(TLEC)が存在する。TLECはリンパ節微小環境内で炎症性環境の形成やECMリモデリングにより腫瘍進展に関与することが示唆された。
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