研究課題
【研究課題名】ヒト腫瘍抗原遺伝子導入iPS細胞由来樹状細胞を用いた癌ワクチン療法:ヒトTAA遺伝子を恒常的に発現するiPS細胞からDCを分化誘導する (iPS-TAA-DC).iPS-TAA-DCワクチンに伴うTAA特異的CTL誘導能の有無を3 段階に分けて検討する.I.CEA遺伝子発現iPS細胞由来のDCのワクチン効果をCEA transgenic mouseを用いたin vivo皮下腫瘍モデルを用いて検討する.II.健常人皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立し,ヒトTAA遺伝子を安定導入し,さらにDCへと分化誘導する.iPS-TAA-DC刺激にて得られたin vitro CTLがTAA特異的な細胞傷害活性を有するか否かを検討する.さらに健常人PBMCから得られたnaïve DCとの比較検討も行う.III.坦癌患者由来iPS細胞を樹立し,iPS-TAA-DC刺激にて得られるin vitro CTLのTAA特異的な細胞傷害活性の有無を検討する.平成28年度は上記のIIIを検討した.担癌患者3名(胃癌2名 膵癌1名)のPBMCより,iPS細胞を樹立した.またiPS細胞から樹状細胞を分化誘導した.担癌患者のナイーブな樹状細胞は健常人と比較して,抗原提示能は劣っているが,担癌患者のiPS細胞由来樹状細胞は健常人と比較して,成熟能,遊走能,抗原提示能すべてにおいて同等であることを立証した.また3患者の腹水よりcell lineを樹立し,TAA発現を確認したところ,2名にCEA,1名にWT1が高発現していた.現在はTAA特異的CTLを誘導しているところである.1名はin vitroでのCTL誘導が可能であったが,長期培養に伴うTarget cellのライン化が不十分であったため,Assayが不可能であった.そのため,現在はヌードマウスにin vivoでtarget cellを移植し,安定したラインを得る方法を模索している.
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