腫瘍局所におけるIL-17mRNA高発現群は、有意差は認めないも、低発現群よりも予後不良傾向にあった。IL-17 mRNAの腹腔内の発現は、腫瘍深達度の増すにつれ、また、腹膜播種症例にて高発現であった。同一症例における、腹腔内でのIL-17mRNA発現の定量値と、腫瘍局所のIL-17の免疫組織学的染色で、その陽性細胞数を比較・検討も、両者に相関関係は認めなかった。これらの結果より、ヒト胃癌においても、腫瘍局所と腹腔内環境とでは、IL-17の腫瘍に対する、増殖効果または、抑制効果と相反すも、腫瘍局所においてはその制御、抑制により抗腫瘍効果を期待出来ることが示唆された。
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