研究課題/領域番号 |
26461997
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
野村 栄治 東海大学, 医学部, 教授 (30288732)
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研究分担者 |
山崎 正志 東海大学, 医学部, 助教 (10548647) [辞退]
向井 正哉 東海大学, 医学部, 教授 (40229919) [辞退]
中村 健司 東海大学, 医学部, 准教授 (90246116)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 早期胃癌 / 腹腔鏡下噴門側胃切除術 / ダブルトラクト法再建 / 空腸間置法再建 / アセトアミノフェン法 / 生理的小腸吸収動態 / 生理的ホルモン分泌動態 / 機能温存手術 |
研究実績の概要 |
腹腔鏡下噴門側胃切除術(LPG)は、残胃1/2以上を温存し空腸残胃吻合口径を6cmとするDouble tract法(L-DT)法と、L-DT法再建後、空腸残胃吻合部の肛門側空腸を遮断する空腸間置法(L-JIP)を行っている。【目的】LPG後のL-DT法とL-JIP法、対照として腹腔鏡下胃全摘Roux Y再建(L-TG)の術後QOLおよび測定体位に着目した機能評価を行う。【対象と方法】LPG後L-DT再建:15例(L-DT群)、L-JIP再建:15例(L-JIP群)、L-TG:30例(L-TG群)の術後1年目の体重・食事量(術後/術前, %)・内視鏡所見を比較した。なお外来通院中のL-DT・L-JIP・L-TG群の各10例に、アセトアミノフェン(AAP)法による吸収試験を仰臥位5例・坐位5例にて行った。すなわちAAP1.5gを混じたエンシュアリキッド200mlを内服後、15分ごと1時間までのAAP血中濃度測定を体位を変えて行った。同時に血糖・インスリン・ガストリン・セロトニン値を測定した。【結果】L-DT群: L-JIP群: L-TG群の体重は89.3:91.1:84.1とL-DT群・L-JIP群がL-TG群より有意に多く、食事量は72.7:70.7:66.7であった。食道炎は10%以下でありPG群の内視鏡残胃観察は全例可能であった。吸収試験ではL-DT群・L-JIP群はL-TG群に比較し有意にAAP上昇が抑制された。またL-JIP群では坐位でのAAP上昇・ホルモン変動が顕著であり、L-DT群では体位による変動が少なかった。【結論】1)LPG群ではL-TG群に比較して術後体重は有意に多かった。2) LPG群ではL-TG群に比べ小腸での吸収動態が緩徐であったが、特にL-DT群では体位による変動が少なく機能温存術式として優れた術式である可能性が示唆された。
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