食道がん早期発見のためのバイオマーカー同定のため、コホートでの消化器がん発症例と健常者ならびに食道癌・非癌部組織で、がんで高頻度に変異が見られる領域に限定したエクソーム解析を行った。キャピラリーシークエンサーで癌部に確認した21の遺伝子変異のうち4カ所は非癌部にも確認した。さらに、蛋白質の構造や機能に影響を与え得る5遺伝子を確認し、Mutation Signatureの概念がマーカーとして有用である可能性を見出した。食道癌切除例の臨床データから、血清SCC抗原値が予後予測に有用であった。これらのバイオマーカー評価により、食道がんの早期発見と予後予測による治療の個別化・予後向上が期待される。
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