研究分担者 |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20706460)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
小林 隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40464010)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30743918)
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,「CAM5.2免疫染色における簇出評価の判定基準を立案すること」,および「HE染色およびCAM5.2免疫染色を用いて判定した簇出個数とリンパ節転移との関連を解析し,どちらがリンパ節転移予測の有用性が高いか明らかにすること」である. リンパ節郭清を伴う外科切除が施行された大腸SM癌310例を対象とした. HE染色,CAM5.2免疫染色で判定された簇出個数とリンパ節転移から作製されたROC曲線のAUCはそれぞれ0.678,0.672であった.リンパ節転移予測のための最適なカットオフ値はHE染色,CAM5.2免疫染色でそれぞれ5,8と算定された. HE染色を用いて評価した簇出高度陽性(簇出個数5個以上)におけるリンパ節転移予測の感度,特異度はそれぞれ63.3%,72.8%であり,CAM5.2染色を用いて評価した簇出高度陽性(簇出個数8個以上)におけるリンパ節転移予測の感度,特異度は63.3%,56.6%で,HE染色を用いて評価した簇出判定基準の方がリンパ節転移予測の正確度が高かった. 他の病理学的因子を含め,リンパ節転移との関連を多変量解析すると,組織型(OR, 6.21; 95% CI, 1.16-33.33; P = 0.03)とHE染色を用いて評価した簇出高度陽性(OR, 4.91; 95% CI, 1.64-14.66; P = 0.004)が有意に関連していた.CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出高度陽性は,統計学的に有意なリンパ節転移予測因子ではなかった(OR, 1.31; 95% CI, 0.44-3.91; P = 0.63) . 本研究より,CAM5.2免疫染色での判定基準は簇出個数8個以上であること,リンパ節転移予測の有用性が高いのはHE染色を用いて判定した簇出であることが導き出された.
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