研究課題/領域番号 |
26462011
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422824)
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研究分担者 |
川村 幹雄 三重大学, 医学部附属病院, その他 (00722589)
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | DNAメチル化 / マイクロRNA / 潰瘍性大腸炎 / 癌化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、潰瘍性大腸炎における炎症性発癌のメカニズムをエピゲノムの観点から解明し、有用なマーカーを見出すことにより、現在行われている癌化サーベイランスプログラムより、さらに安全で確実な検出方法を確立することである。これに伴って不必要な内視鏡によるサーベイランス検査を省略することが可能となり、患者への負担だけでなく医療費の削減にも寄与することが期待される。すでに5つのマイクロRNAのプロモーター領域に存在するCpGサイトのメチル化を定量し、それを用いた潰瘍性大腸炎癌化診断法を確立するために検証実験を施行中である。さらにヒト全ゲノム上に存在するCpGサイトのメチル化レベルを網羅的に解析を終了しており、統計学的解析を用いて、10個以下のメチル化サイト部位を用いることによりきわめて効率に癌を合併している潰瘍性大腸炎患者を識別できるマーカーを同定した。このマーカーをさらに別コホートの潰瘍性大腸炎患者の検体を用いて再検証試験を施行中である。これらの結果を踏まえて、現在長期罹患している潰瘍性大腸炎患者(10年以上)にルーチーンで行われている大腸内視鏡によるサーベイランスに代わる新たな癌合併潰瘍性大腸炎患者のスクリーニング法を確立する予定である。さらに今年度は潰瘍性大腸炎癌化部位に特徴的に発現しているmicroRNAsを同定し、それが血清に反映されることが確認できれば診断の困難な潰瘍性大腸炎癌化患者を非侵襲的な血液検査で同定できることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに5つのマイクロRNAのプロモーター領域に存在するDNAメチル化マーカーを選択しており、さらにその検証実験においてもその再現性を確認しており、論文作成中である。また網羅的解析により既に判明しているマーカーよりさらにすぐれた診断能を示す複数のメチル化マーカーを選別し、再現性も確認できており、これに関しても今後国内、国外学会発表、論文作成を行い、新規の癌合併潰瘍性大腸炎患者のスクリーニング法を確立する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
潰瘍性大腸炎癌化部位に特徴的に発現しているmicroRNAsを同定し、それが血清に反映されることが確認できれば診断の困難な潰瘍性大腸炎癌化患者を非侵襲的な血液検査で同定できることが期待される。 1.Dysplasia-carcinoma sequenceに関わる候補microRNAs発現の検証する。 2.血清中候補microRNAsの発現がDysplasia, 癌を合併している潰瘍性大腸炎患者を同定できるか評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が順調に進んだために、本年度請求した助成金より結果として少額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究に必要な試薬購入に充てる。
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