研究課題/領域番号 |
26462016
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
母里 淑子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70708081)
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研究分担者 |
楳田 祐三 岡山大学, 大学病院, 助教 (10573735)
永坂 岳司 岡山大学, 大学病院, 講師 (30452569)
中村 圭一郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (90359886)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マイクロRNA / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
大腸癌ではBRAF変異+Non-MSI癌が極めて予後不良であるが、BRAF変異を示さない大腸癌においても予後不良な経過を示す大腸癌群の存在が報告されている。我々はBRAF変異+Non-MSI癌に強く発現増加・低下を認めるmicroRNA(miRNA)群を同定し,発現増加群をGroup A、 発現低下群をGroup Bと定義し1) Group A miRNAを用いた新規診断マーカーの開発とRAS-RAF cascade positive feedbackの証明, 2) Group B miRNAを用いた新規核酸医薬開発の基礎的検討を行うことを目的とする。1)凍結組織を利用可能であった68例のStageIV大腸癌患者に対しGroup A miRNAの発現検討を行い,後方視的に予後解析を行ったところ,当初の仮説通り,Group A miRNAの高発現群は統計的有意差を持って予後不良であることが示された。2)大腸癌Cell lineに対し,Group B miRNAの発現をRT-qPCRで評価を行い,今後の研究対象の選別を行った。HT29(BRAF変異+Non-MSI)とHCT116(KARS変異+MSI)を対象に今後の検討を行う方針とした。まずCell viabilityの変化の確認に先立ち,導入されたmiRNA群の発現量の経時的変化の測定,発現量が増加している時期の蛋白を抽出し,それらmiRNA群のターゲットと考えられている転写因子ZEBsの発現量の検討,およびそのZEBsのターゲットであるE-Cadherinの発現量の変化も併せてWestern Blottingにて確認を行い,仮説通りの結果を得た。さらに,HCT116, HT29を用いてscratch assayおよびmigration assayでmiRNA群を加えることによる遊走能・浸潤能の抑制効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定通りに進んだ。 特に,2) Group B miRNAを用いた新規核酸医薬開発の基礎的検討 に関しては予定よりもかなり順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1)凍結組織を利用可能であった68例のStageIV大腸癌患者に対しGroup A miRNAの発現検討を行い,後方視的に予後解析を行ったところ,当初の仮説通り,Group A miRNAの高発現群は統計的有意差を持って予後不良であることが示された。この結果は非常に重要な知見であるため,結果の一部を2016年American Association for Cancer research学会で発表し,海外の研究者らともdiscussionを行った。現在,論文化を進めている。平成28年度内に投稿を行う予定とする。 2) Group B miRNAを用いた新規核酸医薬開発の基礎的検討に関しては,5種類のGroup B miRNA単独,または数種類を組み合わせて間欠的にてトランスフェクションを行い,腫瘍細胞の遊走能・浸潤能抑制の変化が確認できた。したがって今後の新規核酸医薬としての臨床応用の可能性が広がった。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも安価に必要試薬や実験消耗品を購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越しとなった金額は主に確認実験に必要な実験消耗品購入費として使用する予定である。
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