研究課題
大腸癌においてBRAF変異+Non-MSI癌は極めて予後不良であるが、BRAF変異を示さない大腸癌においても予後不良な経過を示す大腸癌群の存在が報告されている。我々はBRAF変異+Non-MSI癌を含む大腸癌のmicroRNA(miRNA)のアレイを行い、BRAF変異+Non-MSI癌に強く発現増加・低下を認めるmiRNA群を同定し、発現増加群をGroup A、発現低下群をGroup Bと定義し、1)Group A miRNAを用いた新規診断マーカーの開発とRAS-RAF cascade positive feedbackの証明、2)Group B miRNAを用いた新規核酸医薬開発の基礎的検討を行うことを目的とした。1)凍結組織と予後情報を入手できた68例のStage IV大腸癌患者のGroup A miRNAを解析し、後方視的に予後解析を行ったところGroup A miRNA高発現群は統計的有意差を持って予後不良であることが示された。2)大腸癌細胞株にてGroup B miRNAの発現をRT-qPCRで評価し、HT29(BRAF変異+Non-MSI癌)とHCT116(KRAS変異+MSI癌)を対象に検討を行った。まずmiRNAを導入して発現量の経時的な変化を確認、発現量が増加している時期の蛋白を抽出し、それらmiRNA群の標的である転写因子ZEBsの発現量、ZEBsの標的であるE-Cadherinの発現量をWestern Blotで確認し、仮説通りの結果を得た。さらにHCT116, HT29も用いてscratch assayおよびmigration assayでmiRNA導入による遊走能・浸潤能の抑制効果を確認した。
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