マウスの肛門組織を評価対象にして、放射線照射実験と組織変性軽減治療モデルの開発を研究してきた。マウスの括約筋における組織障害は局所照射の10Gyから変性所見を認めることがわかり、14Gyを超えた照射になると、個体の死亡に繋がる重篤な障害が出てくることが明らかになった。また、再生医療の方法を用いて、治療による組織障害を軽減させるための治療モデルを作成する研究では、脂肪幹細胞と骨髄系幹細胞を用いたモデルを検討し、どちらのモデルにおいても、幹細胞投与による有害事象は無かったが、組織変性の改善は有意差をもって示すことはできなかった。14Gy以上を照射では肛門周辺部位の細菌感染巣をすべてに認めていた。
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