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2017 年度 実績報告書

新規癌抑制遺伝子候補SVS-1の癌抑制のメカニズムの解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26462022
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

隈元 謙介  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60457778)

研究分担者 安藤 俊夫  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20012693)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードSUSV2 / Colorectal cancer
研究実績の概要

本邦における大腸癌の罹患者数は欧米を上回るほどに増加しており、1年間で約5万人が死亡している。近年、複数の分子標的治療薬が開発され、癌治療への効果が期待されているものの効果は限定的であり、引き続き標的遺伝子の探索が急務である。SUSD2 遺伝子はれわれが世界に先駆けて発見した新規癌抑制遺伝子の1つである。SUSD2はヒトの種々の正常組織で発現しているが、大腸癌を含む種々の癌で発現が低下している。そこで我々は、大腸癌細胞を用いてin vitroとin vivoにおけるSUSD2の作用機序を解析した。In vitroで癌細胞に誘導的にSUSD2を発現させると、次のような種々の癌細胞の形質が失われた。即ち速やかな増殖能(細胞周期scのG1期停止による増殖停止)、遊走能(wound-healing法によるmigration能の低下、これはintegrin beta1, caveolin1, myosin light chain 9, rac 1など細胞の運動機能を支える遺伝子群の発現低下による)、浸潤能(擬似基底膜―matrigel膜―の通過能)。中でも特筆すべきは3次元培養におけるspheroid形成能の低下である。Spheroid形成能はヒトの癌死の最大の原因である「遠隔転移」の元凶・癌幹細胞(Cancer Stem Cell, CSC)の性質の一つであり、「癌幹細胞を制する者は癌を制する」と言われる重要な細胞である。更に、in vivoにおいて、SUSD2を発現させた大腸癌細胞は免疫抑制マウスにおいて腫瘍形成能を失った。以上の事実からSUSD2遺伝子は癌抑制遺伝子でありSUSD2タンパクは癌細胞の細胞回転を抑制し、運動能を支配する遺伝子群の発現を抑制し、癌の種々の悪性形質を抑制する事を明らかにした。SUSD2遺伝子を利用する遺伝子治療は有望な癌治療法となるであろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Susd2/SUSD2, a tumor suppressor gene and a seed for antitumor drug development2017

    • 著者名/発表者名
      Toshiwo Andoh, Kensuke Kumamoto, Tadashi Ohara
    • 学会等名
      第76回 日本癌学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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