人工肝補助装置の開発にあたって、いかなる病態肝に適応があるかを、その病態の機序を解明らかにすることは極めて重要である。肝細胞癌、肝炎、肝再生の3つの病態につき検討した。肝細胞癌に関してはIL-17Aが炎症を通じた酸化ストレスによるDNA損傷によりDEN化学発癌を増強すること、さらに、M-CSFが肝内のクッパー細胞を活性化することにより誘導される血管新生を通じて癌の増殖に関与することが明らかになった。肝炎に関しては、IL-17AがLPS/GalN誘発劇症肝炎を重症化することが明らかになった。肝再生に関しては、CLEC-2が血小板と肝類洞との相互作用により、肝再生を促進することが明らかになった。
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