心停止後ドナー肝移植では、移植肝が長時間の低酸素状態にさらされることによる移植後の肝障害が問題となる。我々はラット心停止肝移植モデルを用いて、肝臓グラフト保存液に高濃度の酸素溶解能を有するPerfluorocarbon(PFC)を添加し、心停止肝グラフトの酸素状態を改善させることで、肝移植手術後の成績が向上するかどうか検討した。結果、生化学検査、病理組織学的検査などから、PFCを保存液に使用した群で、肝移植術後早期の肝虚血再灌流障害が軽減されることが示され、PFC使用群で肝移植術後生存率の向上が得られた。今後、中長期の合併症として問題となる虚血性胆管障害についても検討を進める。
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