研究課題
1.脂肪肝温虚血再灌流モデルによる検討:脂肪肝ラット群と正常肝ラット群に対して70%温虚血後再灌流を行い、肝障害、NOX発現の変化を評価する。(結果)①虚血再灌流障害にて脂肪肝群は生存率が低下し、肝壊死面積、8-OHdG、TNFαおよびIL-6の増加が見られた。②NOXは脂肪肝群で発現が増強し、再灌流後24時間でピークが見られた。③TLR4は脂肪肝で発現が増強し、HMGB1の増加を伴い再灌流後に増加した。2.NOX2阻害下における脂肪肝温虚血再灌流障害の検討:脂肪肝ラット、正常肝ラットにp47phox(NOX2)阻害剤apocynin(100mg/kg)を投与し、vehicle投与群と比較する。(結果)western blottingによる検討にてapocynin投与群ではVehicle群と比し細胞膜上のp47phox発現が有意に低下していた。免疫染色でもp47phox発現細胞の減少が確認された。また、脂肪肝においてTLR4発現は温虚血再灌流4時間後と24時間後にpeakがみられ、apocynin投与群では虚血再灌流24時間後のTLR4の発現の低下がwestern blotting、免疫染色にて確認された。HMGB1の肝細胞内発現は脂肪肝ラットにおいて虚血再灌流後有意に減少していたが、apocynin投与によって発現が保持された。apocynin投与群において肝温虚血再灌流障害後の生存率が有意に改善し、しかもその効果は正常肝ラットよりも脂肪肝ラットにおいて顕著であった。
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Transplantation
巻: 100 ページ: 791-800
10.1097/TP.0000000000001130