研究課題/領域番号 |
26462055
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
皆川 昌広 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (10464009)
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研究分担者 |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 講師 (70447605)
滝沢 一泰 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30706437)
高野 可赴 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30606306)
小林 隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40464010)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵癌 / アミノレブリン酸 / PEPT-1 / PEPT-2 |
研究実績の概要 |
膵癌患者に対してアミノレブリン酸を投与すると,過去の報告がなされている膀胱癌などと同様に膵癌組織でも励起光による蛍光が見られることがわかっている.我々は,これまでの研究によって膵癌患者でのアミノレブリン酸投与における膵癌組織における蛍光パターンを検討しているうちに,アミノレブリン酸投与による膵癌組織の蛍光パターンと膵癌に効果のある化学療法剤Gemcitabineの奏功性に関連があるという仮説をたてることができた.この仮説の裏付けとなる膵癌細胞におけるアミノレブリン酸代謝を探るため,ヒト膵癌cell line (MIA Paca-2, AsPC, Panc-1)を用いて,アミノレブリン酸代謝関連分子(PEPT-1,PEPT-2,ABCG-2, ABCG-6, CPOX, PPOX,FECH) の発現量とアミノレブリン酸蛍光と関連を調べてみた.さらに,Gemcitabineを培養液に添付した後,アミノレブリン酸を加えて,各Cell lineの培養ウェルにおける蛍光強度を比較するとともに,mRNAレベルでのアミノレブリン酸代謝関連分子の変化をみてみると,Gemcitabineとアミノレブリン酸の代謝に関連している可能性が高いものは,PEPT-1およびPEPT-2であった.これらの結果を踏まえて,PEPT-1およびPEPT-2の分子における個別の患者癌組織においての発現をみるため,患者からの標本を蓄積するとともに,切除標本の免疫染色を行い,発現度とアミノレブリン酸蛍光に関連があるかを検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Cell lineでの反復性とは違い,患者での免疫染色によるばらつきが大きいため,さらなる症例の蓄積が必要であると思われる.当初,ホルマリン固定後標本を用いていたが,凍結標本もあわせて検討するようにしている.
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織化学染色に使用するPEPT-1,PEPT-2抗体をいくつか試している.また,患者の経過も随時観察しており,Gemcitabine奏功性,転移・再発状況のデータも蓄積している.また,現在,Gemcitabineにおける奏功性にのみ焦点をあわせて検討しているが,アミノレブリン酸の蛍光性は,膵癌患者の予後を決定づける膵癌の転移能力や浸潤性にもかかわっている可能性がある.貴重な標本でもあるため,これまで知られている膵癌の接着因子の発現性もあわせて調べることを検討している.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入等の納品・検収は平成27年度内に完了したが、支払が4月になり次年度となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
執行済であり、4月に支払が完了している.
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