研究課題/領域番号 |
26462061
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上村 健一郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (60379873)
|
研究分担者 |
村上 義昭 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (10263683)
橋本 泰司 広島大学, 病院(医), 病院助教 (50423380)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 胆管癌 / 神経周囲浸潤 / NGF / 発生モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、胆管癌の神経周囲浸潤について、関連する分子の存在の有無とその分布、胆管癌細胞株でneurotrophic factorの発現、実際の動脈周囲神経叢における存在の有無、胆管癌細胞株を用いた神経周囲浸潤発現モデルの作成し、それを評価することを通じて、神経周囲浸潤がどのように発現していくのか、その分子機構を解明することを目的としている。 平成26年度の研究実施計画としては、胆管癌神経周囲浸潤とNGF(nerve growth factor)、GDNF(grial cell derived neurotrophic factor)、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)、trkA、p75NGFR発現の関連性についての検討、及び胆管癌細胞株での神経周囲浸潤関連因子発現の定量的解析であった。 これらのうち、胆管癌神経周囲浸潤と神経関連因子の解析において、NGFと胆管癌組織との発現を解析した結果、胆管癌においてはNGFと神経周囲浸潤は関連性が認められず、生存期間とも関連性が認められなかった。また、他の臨床病理学的因子とも関連が認められなかった。これまで、NGFは癌腫において関連が示唆されていたが、胆管癌ではNGFをはじめとした他因子で神経周囲浸潤と関連性がない可能性が考えられた。その他の因子についても、発現の検索を行う研究体系の見直しを行っている。 胆管癌細胞株での神経周囲浸潤関連因子発現についても、各神経因子で、RT-PCRを用いた手法ではRNA発現の増幅が認められていない。この結果は予想に反するものであり、現在原因を究明中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胆管癌組織での各神経向因子について、発現評価の免疫組織染色方法の手法確立が困難であった。また、NGF発現の研究にかなりの時間と費用を要した。細胞株の培養による神経因子の発現について発現結果が得られなかったことにより、時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、胆管癌症例における総肝動脈周囲神経叢の採取と免疫組織学的評価について、症例の蓄積を進めている。こちらについては、当初の予定通り、症例蓄積に時間を要している。 今後、胆管癌組織での神経向因子発現や、胆管癌細胞株での神経向因子のRT-PCRを用いた発現解析については、現在見直しを行っており、今後の対策を検討中である。
|