研究課題/領域番号 |
26462067
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
蔵原 弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70464469)
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研究分担者 |
又木 雄弘 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 特任講師 (10444902)
前村 公成 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30398292)
新地 洋之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (60284874)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リンパ節転移 / リンパ節微小環境 / 上皮間葉移行 / 血行性転移 / 炎症 |
研究実績の概要 |
本課題の目的である消化器癌のリンパ行性転移のメカニズム解明のための研究を行う過程で原発巣でのリンパ管新生因子VEGF-C, -Dの発現に引き続き,領域リンパ節において転移形成に先んじて起こるリンパ管新生がリンパ行性転移において重要な役割を果たすことを明らかにした.リンパ節転移を有する症例では,転移リンパ節のみならず,非転移リンパ節においてもリンパ管新生が起こっており,転移形成のための土台作りがすでに始まっていると考えられる.更にリンパ行性転移におけるEMT(epithelial-mesencymal transition)とMET(mesenchymal-epithelial transition)の役割を明らかにした.リンパ行性転移の初期にはEMTが重要な役割を担うが,転移形成後はMETを介して転移巣が増大していくことを明らかにした. また,今回のリンパ行性転移のメカニズム解明のための研究が,血行性転移のメカニズムとその制御法に関する研究にもつながった.本課題の研究費を用いた実験により,膵癌の血行性転移を制御する新規転移抑制遺伝子HMP19とITIH5を同定した.リンパ行性転移に関する実験と並行して,血行性転に関する研究も行った.HMP19は膵癌細胞におけるERK1/2の活性化を強力に阻害し,細胞増殖や浸潤能の抑制を介して血行性転移を抑制することを明らかにした.今後,今回同定した新規癌転移抑制因子の癌転移プロセスにおける役割の更なる研究継続が癌転移に関するメカニズム解明につながる可能性がある.
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