肥満者内臓脂肪は線維性癒着が多く、膵癌は線維化が多い腫瘍である。そこで胃癌大腸癌を用いたpreliminaryな検討を行った。血中adiponectin値は8.6+/-10.9μg/mlで、術後に血中濃度が減少した。一方、大腸癌StageⅢ・Ⅳ例の線維化をαSMA染色陽性部分の面積で算出し、原発腫瘍のαSMA陽性率20%をカットオフとすると、低陽性率で全生存率が低下した(αSMA陽性率低値60.5%vs高値88.2%;p<0.05)。腫瘍の線維化は分化度と異なった予後予測因子であり、線維化の多い膵癌でも同様であるのか、adiponectinが関連するのかを引き続き検討する意義がある。
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