研究課題/領域番号 |
26462072
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40398459)
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研究分担者 |
清水 敦史 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00637910)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岡田 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50407988)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60236677) [辞退]
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60468288)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (90549734)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 胆道ドレナージ / サイトカイン / 網羅的解析 / 膵切除後合併症 / 診断法 |
研究実績の概要 |
胆道ドレナージを伴う膵頭十二指腸切除術の術後感染性合併症は敗血症を引き起こす可能性があり注意が必要である。しかし胆汁中の細菌の存在が必ずしも胆管炎および術後感染性合併症と関連しない。胆汁感染による局所炎症性カスケードの解明として胆汁内サイトカインの網羅的探索による術後感染性合併症の指標となるサイトカインの同定が本研究の目的である。我々は2005年から2010年までの閉塞性黄疸を認め胆道ドレナージを施行したPD症例127例を解析した。術前胆管炎をきたした症例は胆管炎を合併しなかった症例に比較して有意に術後重症合併症(Clavien分類grade IIIa以上)の頻度は高くなったことを明らかにした(胆管炎(+);62.5% vs. 胆管炎(-);28.8%、P=0.007)。そして重度術後合併症の危険因子解析では、単変量解析では術前胆管炎(P=0.002)、内瘻ドレナージ(P=0.021)、膵癌以外の疾患(P=0.001)、soft pancreas(P=0.001)に有意差を認め、多変量解析では術前胆道ドレナージ中の胆管炎の合併は膵頭十二指腸切除術後重症合併症を増加させるということを証明した(Am J Surg 2013)。平成26年度では胆汁中サイトカインの網羅的解析を行うために、膵頭部領域疾患(膵頭部癌、胆管癌、Vater乳頭部癌など)に対し膵頭十二指腸切除術を施行した症例に対して胆道ドレナージ施行時および術中胆汁を16検体採取した。そしてそれぞれの胆汁中サイトカインの網羅的解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手術侵襲・術後炎症程度の指標として現在まで報告されているサイトカインはIL-1β,IL-2, IL-4, IL-6, IL-8, TNFα, INFγなどがある。このため、術後感染性合併症の診断に有効なサイトカイン決定のためには、同時に複数サイトカインを定量的に測定する必要がある。平成26年度では胆汁16検体からサイトカインの網羅的解析を行い、IL-1α、IL-1β、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-13、MCP-1、IFN-γ、TNF-αのサイトカインの定量を行った。対象は閉塞性黄疸にて胆管ドレナージに採取した胆汁9検体と黄疸のない膵頭十二指腸切除時に胆管から採取した胆汁7検体であった。研究達成度としては採取した胆汁からサイトカインの網羅的解析が可能であることを確認出来ておりおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では胆汁検体からIL-1α、IL-1β、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-13、MCP-1、IFN-γ、TNF-αのサイトカインの定量を引き続き行う。胆道ドレナージを要する膵頭十二指腸切除術症例において胆道ドレナージ施行時の胆汁および術中採取した胆汁中のサイトカインの網羅的探索によって胆汁内サイトカインの術後感染性合併症の指標となるサイトカインの同定が本研究の目的である。平成27年度では、コントロール群として胆道ドレナージの必要がない膵頭十二指腸切除術症例10例において術中採取した胆汁中のサイトカインの網羅的探索も行い、ドレナージ症例の胆汁中のサイトカインとの比較も併せて行う。
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