研究課題
【目的】術前胆道ドレナージは、膵頭十二指腸切除術の術後感染性合併症は増加すると報告されている。しかし、胆道ドレナージが膵頭十二指腸切除術術後感染性合併症にどのように影響するかは明らかではない。我々は閉塞性黄疸を認め胆道ドレナージを施行した膵頭十二指腸切除症例127例を解析した。その結果、膵頭十二指腸切除後の重度術後合併症(Clavien分類grade III以上)の危険因子解析では術前胆道ドレナージ中の胆管炎の発症が膵頭十二指腸切除術後重症合併症を増加させるということを証明した(Am J Surg 2013)。しかし、胆汁中の細菌の存在が必ずしも胆管炎および術後感染性合併症と関連しない。胆汁感染による局所炎症性カスケードの解明として胆汁内サイトカインの網羅的探索による術後感染性合併症の指標となるサイトカインの同定が本研究の目的である。その結果、胆汁中サイトカインの網羅的探索による術後感染性合併症の新規早期診断となる新たなバイオマーカーの確立を目標としている。【方法】①閉塞性黄疸を合併し膵頭十二指腸切除を施行する症例において胆管ドレナージ施行前および術中胆汁を比較検討することによって、胆管ドレナージ前後での胆汁中サイトカインの変化を検索する。②膵頭十二指腸切除を施行する症例において術前閉塞性黄疸を合併しない症例と閉塞性黄疸を合併した症例の術中胆汁中サイトカインを比較検討し、閉塞性黄疸が術後合併症に及ぼす影響を検討する。
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Surgery
巻: 160 ページ: 293-305
10.1016/j.surg.2016.02.032.