研究課題/領域番号 |
26462075
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
松下 晃 日本医科大学, 医学部, 助教 (70449263)
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研究分担者 |
松田 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (20363187)
内田 英二 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70176684)
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90203041)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | STAT5b / 膵癌 / 抗癌剤感受性 / アポトーシス / 浸潤能 / 接着能 |
研究実績の概要 |
STAT5b高発現株であるPANC-1を用いてSTAT5b shRNA plasmidおよびcontrol shRNA plasmidをstable transfectionしてクローンを作成し、Western Blot法により2つのshRNAクローンのSTAT5b蛋白の発現抑制を確認した。Invasion assay(Matrigel invasion chamber)にて浸潤能を検討したところ、1% FBS、1nM EGF、1nM PDGFにより誘導される細胞浸潤は、controlと比して2つのshRNAクローンにおいてそれぞれ有意に抑制された。Adhesion assayにおける接着能の検討では、Fibronectin、Laminin、CollagenⅣでコーティングされたplateにおいて、2つのshRNAクローンの接着能はcontrolと比較して有意に抑制された。MTT assay(Cell Counting Kit-8)にて増殖能を検討したところ、controlとshRNAクローンに有意差は認められなかったが、Gemcitabineの投与により生存する細胞がcontrolに比して2つのSTAT5b shRNAクローンで有意に減少した。同様にSTAT5b shRNAクローンに対しGemcitabineを投与した後の蛋白を用いたWestern Blot法では、controlと比較してアポトーシス関連蛋白であるcleaved Caspase 3、PARPの高発現を認め、Gemcitabine投与によるアポトーシスの誘導が示唆された。 STAT5bは膵癌において、その増殖には関与しないが、抗癌剤に対する感受性、浸潤能、接着能に関与している可能性が示唆され、新たな膵癌治療の標的になり得ると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
STAT5b高発現株であるPANC-1を用いてSTAT5b shRNA plasmidによるSTAT5b蛋白発現抑制実験をin vitroにて行った。STAT5bは膵癌において、その増殖には関与しないが、抗癌剤に対する感受性、浸潤能、接着能に関与している可能性が示唆された。以上から本実験計画はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後STAT5aについても同様に実験を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬を予定より安く購入てきたため
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品を購入する予定である
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