今回、我々はヒト膵癌細胞株を用いてSTAT5a/5bの発現を確認した。次に、膵癌細胞株にSTAT5aおよびSTAT5bのshRNAを用いて蛋白発現抑制実験をおこなった。STAT5bの蛋白発現抑制により膵癌細胞ではゲムシタビン投与により生存細胞が有意に減少し、アポトーシス誘導されることが示唆された。またSTAT5a/5bの蛋白発現抑制により、細胞浸潤能と細胞外基質に対する細胞接着能が抑制された。STAT5aは膵癌における浸潤、接着に、またSTAT5bにおいては浸潤、接着に加え抗癌剤に対する感受性、アポトーシスにも関与している可能性が示唆され、新たな膵癌治療の標的になり得ると考えられた。
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