研究課題/領域番号 |
26462077
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山本 久仁治 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (00375073)
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研究分担者 |
佐藤 賢一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (10282055)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40333645)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵癌 / ピルビン酸キナーゼ / 癌代謝 |
研究実績の概要 |
癌特有の代謝(Warburg効果、酸素が十分にある状態でも好気性ではなく嫌気性呼吸を行う)にピルビン酸キナーゼtypeM2 (PKM2)が関与している。我々の基礎検討により膵癌においても癌の進展にはPKM2が関与していることが明らかとなった。さらに、PKMの発現型の癌化への関与や癌代謝への役割を追求すべく、我々は世界に先駆けてPKM1、PKM2それぞれのノックインマウスの作製に成功した。このマウスを用いPKM発現型の膵癌化への関与を検証し、PKM2の発現抑制あるいはPKM1の発現上昇によるPKMの発現型の変化が膵癌発生・進展を阻止できるかを確認することが本研究の目的である。本年度は:1)ヒト手術検体の膵癌癌病変と非癌上皮をマイクロダイゼクションにより削りだしPKM2の発現を検討;2)PKM2発現抑制膵癌細胞とコントロール細胞において網羅的にメタボローム解析を行った。その結果、膵癌病変でPKM2の発現が高いことが確認された。また、メタボローム解析にては、解糖系産物の貯留がみとめられ解糖系が抑制していることが明らかとなった。 PKM2下流のシグナルを同定すべく、cDNAマイクロアレイによる網羅的解析も施行し、現在その結果を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PKM2の膵癌検体での発現上昇の確認、メタボローム解析による解糖系への関与を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
PDX-1-cre; KrasG12DマウスとPKM1ノックインマウスの交配を行い、膵癌化へのPKMの関与を明らかにしていくとともに、マイクロアレイの結果を解析しその下流のシグナルを同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
メタボローム解析の回数が予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
メタボローム解析をさらに行い、マウスの遺伝子解析を行う。
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