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2015 年度 実施状況報告書

ピルビン酸キナーゼの発現型の変化を利用した膵臓癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462077
研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

山本 久仁治  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (00375073)

研究分担者 佐藤 賢一  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (10282055)
田沼 延公  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード膵癌 / ピルビン酸キナーゼ / 癌代謝
研究実績の概要

本邦において2003年~2005年に診断された膵癌患者の5年相対生存率は7% と報告されている。この生存率はあらゆる癌種の中で最も低く、20%を下回るのは膵癌のみである。1993~1996年に診断された膵癌例の5年相対生存率は6.5%であり、様々な診断法や新しい抗がん剤が開発されてきた10年の時を経ても、生存率に大きな改善はみられていない。膵癌患者の予後改善のためには、転移細胞や高度の悪性化形質を獲得した癌細胞を相手にした画期的な治療戦略を立てる必要がある。癌特有の代謝(Warburg効果、酸素が十分にある状態でも好気性ではなく嫌気性呼吸を行う)にピルビン酸キナーゼtypeM2 (PKM2)が関与している。我々の基礎検討により膵癌においても癌の進展にはPKM2が関与していることが明らかとなった。さらに、PKMの発現型の癌化への関与や癌代謝への役割を追求すべく、我々は世界に先駆けてPKM1、PKM2それぞれのノックインマウスの作製に成功した。このマウスを用いPKM発現型の膵癌化への関与を検証し、PKM2の発現抑制あるいはPKM1の発現上昇によるPKMの発現型の変化が膵癌発生・進展を阻止できるかを確認し、膵癌の治療標的と成りえるか検討することが本研究の目的である。前年度はヒト膵癌病変においてPKM2が高発現していること、膵癌細胞においてPKM2の発現抑制にて解糖系が抑制されることを明らかにした。本年度は、PKMの発現型の膵癌化への影響を解析すべく、PKM1およびPKM2ノックインマウスそれぞれとPdx1-cre; K-ras G12Dを交配させ、継時的に癌化との関連を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PKMの発現変化による代謝の変化を同定するとともに、PKM1あるいはPKM2のみを発現する遺伝子改変膵癌マウスの作製が順調であるため。

今後の研究の推進方策

PKMの発現型の相違が膵癌化、癌進展にどのように関与しているのか遺伝子改変マウスを継時的に解析する。また、分子機序について網羅的遺伝子解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

網羅的遺伝子解析の頻度が少ないため。

次年度使用額の使用計画

PKM発現型の異なる遺伝子改変膵癌マウス病変からRNA、microRNAを抽出し網羅的遺伝子解析やメタボローム解析を行う。

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公開日: 2017-01-06  

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