研究課題/領域番号 |
26462080
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
皆川 正仁 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50374830)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人工弁 / カテーテル |
研究実績の概要 |
平成28年度はブタ拍動心における人工弁の装着性および機能性の検討(in-vivo慢性期実験)を行う計画でした。また、急性期実験にくわえて慢性期に心臓超音波検査による人工弁機能評価を行う計画でした。 平成28年度は、ブタ摘出心を用いて、様々なステント骨格を試作して装着実験を繰り返し、ステントの形状を決めることに時間を要しましたが、オリジナルのステント骨格(僧帽弁輪を挟み込む形状のステント骨格)の試作品を造ることが出来ました。当初の実験計画では、ブタを使用した動物実験によって装着実験を繰り返して、ステント骨格の修正を行うことを計画していましたが、当初の計画よりもステント形状の修正を繰り返すことが多くなることが予想され、その場合、急性期実験で安楽死させるブタの頭数が多くなると予想されました。治験段階で国外で報告されているカテーテル植込式の人工弁の報告はありますが、装着性に優れたステント骨格の開発には、未だ様々な問題があるとされています。 このため、ブタを用いた人工弁の評価方法を見直し、また、動物を使用することなく人工弁の評価を行う目的に、拍動流を再現することが出来る模擬回路(当科で所有している)にシリコン製の半透明な成人心臓モデルを組み込み、この心臓に人工弁を装着して評価を行うことに実験方法を変更しました。 本法では、実験計画が遅れた要因であるステント骨格の見直しや、拍動流下のシリコン製の成人心臓模型における装着実験を容易に繰り返し行うことができ、今後の実験の遂行が効率的に行えるようになりました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ステント骨格の決定のための試作ならびに修正に時間を要したことが一つの理由です。ブタを使用した実験を行う場合においては、ステント骨格の修正や見直しの回数が多くなると考えられました。この場合、急性期実験で安楽死させるブタの頭数が、当初の予定を大幅に上回ると考えられ、動物愛護の観点や実験費用の面でも問題があると考え動物実験の見直しが必要になりました。 再検討の結果、弘前大学・大学院医学研究科で所有する水を拍動流で灌流させることが出来る模擬回路に、正常成人心臓の画像データから作成されたシリコン製の心臓模型を組み込み、この半透明の心臓内に人工弁を組み込んだモデルは、動物実験の代用になり得ること、拍動流の流体内での人工弁の装着性を可視化できという利点があります。超音波検査による弁周囲逆流の評価などの弁輪へのフィッティングの評価も可視化できるという点で有用でありました。
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今後の研究の推進方策 |
模擬回路内のシリコン製成人心臓モデルの僧帽弁位に、カテーテル植込式の人工弁を装着して、人工弁の評価を行います。カテーテル植込式が可能なステント骨格の試作ができない場合には、弁輪への縫合不要なsutureless valveとしてのステント骨格をもつ人工弁を造り、その次の段階として、カテーテル内に充填できる骨格への改良を行う研究に発展させるということを考えています。
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次年度使用額が生じた理由 |
ブタ拍動心での装着実験の予定でありましたが、人工弁の評価を可視化することが重要と考え模擬回路にシリコン製の半透明な成人心臓モデルを組み込む実験方法へ計画を変更しました。その見直しにより、物品調達やモデル作成に時間を要し、遅れが生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
模擬回路に使用する消耗品の物品調達、研究結果報告としての学会参加費用ならびに論文作成時の英文校閲費用として使用する計画です。
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