研究分担者 |
前田 吉宣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20438203)
渡辺 太治 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20448723)
山南 将志 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30438204)
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40182422)
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60295649)
宮崎 隆子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90405291)
|
研究実績の概要 |
本研究は,生体内組織形成技術によって得られた自己結合組織片「バイオチューブ」については,血管壁素材として自家移植を行った場合の安全性や成長可能性,耐圧性能など, 動物実験においてすでに立証され ているこれらのパラメータについて, 同様の安全性や成長可能性がヒトにおいても成立することを確認 することである.具体的には,段階的手術を要する先天性心疾患患児を対象として,初回手術時に皮下に埋設したシリ コン基材を次回手術時に摘出,その周辺に形成された結合組織片を採取して,肺動脈形成用の血管壁素材として応用することを念頭に,以下のprotocolに従う. 1 対象患者の選定,結合組織片(バイオチューブグラフト)の作製,肺動脈形成術への応用. 2 採取されたバイオチューブグラフトを,病理組織学的に検討する. 3 移植されたバイオチューブグラフトの経時変化を,画像検査を用いて追跡観察する. 4 移植されたバイオチューブグラフトを遠隔期に摘出し,病理組織学的検討を行う. 当該年度(2014年度)においては,まずこの第一段階である 対象患者の選定と手術計画を重点的に検討し,一名の患者にバイオチューブの埋設を施行した.また,これに続く症例として,複数名の患者をリストアップした.現在は手術時期を待機中である.バイオチューブ埋設症例については,4~12 ヵ月後を目安に,各症例の循環動態を優先して次回手術時期を決定し、その際にシ リコン基材と結合組織片を採取,上記2に挙げた病理学的検討を行うとともに,狭窄肺動脈部分に対する拡大形成術の素材として使用し,以後は超音波検査やCT 検査などを用いて長期にわたり移植片の成長や組織学的な変化などについて確認する方針である.
|