臓器移植における最大の課題である拒絶反応の中で長期生着の阻害要因である慢性拒絶反応を制御する薬剤の探究のため、動脈硬化抑制効果をもつとされるHMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチン)をマウス心臓移植モデルに投与し、生着延長期間を調査した。プラバスタチン10ug/日を術後1週間投与することで50日間の生着期間を認め、制御性T細胞の誘導を確認した。プラバスタチン群の左冠動脈は無治療群よりも内腔面積と血管面積は保たれ、狭窄率は低かった。さらに、リンパ球培養反応によりプラバスタチンの直接的免疫制御作用も確認された。
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