研究課題/領域番号 |
26462097
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 悟朗 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (50526449)
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研究分担者 |
川本 俊輔 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20400244)
安達 理 東北大学, 大学病院, 講師 (30375092)
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (40215562)
齋木 佳克 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Muse細胞 / 腹部大動脈瘤 |
研究実績の概要 |
今年度は大動脈瘤モデル作製を行った.ラット腹部大動脈に塩化カルシウムおよびエラスターゼを塗布することで瘤化を得る予定であったが,将来のMuse細胞投与を考えたとき,免疫抑制剤投与に比べ,免疫不全モデル使用下にヒトMuse細胞を投与する系の方がより安定した結果を得られると考え,免疫不全モデル(SCIDマウス)の存在するマウスへモデル動物を変更した.モデル作製は同系統のBALB/cマウスを用いた.動脈瘤破裂などの致死症例を避けるため,投与するエラスターゼの濃度および容量の滴定にやや時間を要したが,結果的には再現性を持って術後3日から6週までの間,継続的な瘤拡大を確認することができた.動脈瘤の瘤径評価には顕微鏡下での径測定に加え,造影CTおよび腹部エコーによる生存下での測定を用いた. 同時にMuse細胞の単離も行った.Lonza社より購入した市販ヒト骨髄間葉系幹細胞を数代に渡り培養を行い,FACS(fluorescence activated cell sorting)を用いてSSEA-3陽性かつCD105陽性細胞をsortingした.また移植後の局在認識のため,あらかじめlentivirus-GFPを導入し標識を行った. 今後はこれらのモデルマウス(移植実験は免疫不全モデルであるSCIDマウスを使用)とMuse細胞を用いて幹細胞移植実験へと移行する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル動物をラットからマウスへ変更することとなったが,動脈瘤作成の手技自体は問題なく遂行可能であり,その評価も満足のいくものであった.また,Muse細胞に関しては本学細胞組織学教室の協力のもと,良好な状態で採取することが可能となった.
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今後の研究の推進方策 |
今後はSCIDマウス動脈瘤モデルにてヒトMuse細胞の移植実験を行う.経静脈的にMuse細胞を投与することで大動脈瘤縮小効果が得られるかを検証する.投与開始時期および投与細胞数・投与回数などを調整する必要がある.また治療効果判定に関しても,瘤径評価に加え,組織学的評価やPCRなどの分子生物学的評価を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,マウスの組織評価においては免疫組織染色やPCR等を用いる予定でありそれらの試薬類を購入予定であったが,モデル作成の段階では組織学的評価の一部は不要と判断し,今後の移植実験で改めてそれら評価を行っていく方針としている.従って,免疫組織染色・PCR等で使用する試薬類の購入費は次年度への繰越しとなった.
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次年度使用額の使用計画 |
免疫染色やPCR等の評価系で使用する試薬類の購入費に充てる.また,移植実験も当初のラットからSCIDマウスに変更となり,その購入費も若干の上乗せとなる予定である.
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