研究課題/領域番号 |
26462101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保科 克行 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90571761)
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研究分担者 |
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966) [辞退]
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (60348266) [辞退]
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (70190791) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大動脈瘤モデル / stent graft migration / 嚢状瘤 |
研究実績の概要 |
大動脈瘤シミュレーション研究会は月に一回のペースで行ってきた。年度ごとに人が変わりながらも、進捗は途切れることはなく順調である。1、大動脈瘤モデルの作成について。屈曲に伴うmigrationの機転についてその機序が工学的に解明されてきた。この点に関しては工学部サイドでは、ミュンヘン工科大学から二人のエンジニアが参加し、ステントグラフトの屈曲について、bucklingという概念で屈曲時の変化をシミュレーションした。デバイスによって曲がり方や材質が異なることもあり、なかなかきれいな法則は導きだせなかったが、一定の成果を出せたと考える。またモデル作成のための装置の組み立てに難し、なかなか一定の速度で曲げることができず、このあたりに時間が費やされた。2、大動脈中心線の描画とそれに伴うcurvature, torsionの最適化がなされた。これはpenalty項を導入することで、昨年度とは異なり屈曲・ねじれの数値化がかなり安定して算出できる。より臨床利用に近づいた。データ量がCT画像のため膨大で、PCもややハイスペックのものを購入して解析にあたっている。これは機種によって何倍も時間が変わるため、やむをえない。3、嚢状瘤の定義が、臨床データとすり合わせて行われており、昨年度の横長形状が嚢状の一つ、というデータは臨床的にはあまり当てはまるものはなく、立ち上がりが急峻な(fillet半径が小さい)ものが破裂するような症例では多かったのがわかった。など、多くの結果が出てきており、今後発表、論文化を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル作成、またmigration機序についてはより具体的に解明されつつある。既報で論文1編あり、現在も作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈瘤シミュレーション研究会において十分な議論のもと、実験系をすすめていく。学会発表、論文発表を工学・医学系両面から積極的に行う。大動脈瘤シミュレーション研究会を中心に、方針を含めて検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床データの解析に、多大な労力を要するため謝金などの用意が必要である。現在、工学的なモデル作りからようやく臨床への応用が始まったばかりであり、まだそちらの費用を支出する段階に入っていないこと。またコンピューター解析が主であるため、パソコン、ソフト、周辺機器の支出が見込まれる。 データは蓄積しており、何種類かのプロジェクトが平行して走っている。これらを適宜学会などで発表していくため、旅費などの支出がこれから増える予定。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由から、現在では臨床データの解析にとりかかっており謝金が必要となってくること、また学会発表や医工連携でのカンファランスなどの頻度も上がり、より活性化するため、また物品も実験系が増えたために費用を要し、これらに使用する計画である。
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