リンパ浮腫モデルを用いリンパ鬱滞が静脈壁に及ぼす影響を調べた。ラット大腿静脈周囲のリンパ組織を結紮し、静脈周囲組織のリンパ鬱滞を作成。大腿静脈と周囲組織を採取し、質量顕微鏡で脂質沈着を調べた。 モデル作成後リンパ管は著明に拡張した。質量分析で静脈周囲脂質沈着に変化があった。モデル側ではlysophosphatidylcholine、phosphatidylcholine、triglyceridesが静脈周囲に沈着し、大腿静脈壁は3-4倍肥厚し、TNF-α陽性の脂肪細胞数が静脈周囲組織に増加していた。リンパ鬱滞が静脈壁に変化を及ぼし、その静脈壁の変化が慢性静脈不全と関与していると思われた。
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